SIer企業とWeb系企業は、IT業界においてそれぞれ異なる役割と特徴を持っています。SIer企業はシステムインテグレーターの略で、主に顧客に対してシステム全体の設計や導入、運用を請け負うのが特徴です。企業が抱える問題やニーズに応じて、最適なシステムを構築します。大手企業や官公庁との連携が多いため、大規模なプロジェクトが一般的です。要件が複雑かつ高度なケースも珍しくありません。
一方、Web系企業はインターネットを活用したサービスやアプリケーションの開発・運営を行います。たとえば、SNSやECサイト、Webアプリケーションの開発が中心です。Web系企業では、新しい技術やトレンドに敏感で迅速なサービス展開が求められます。比較的小規模なプロジェクトが多く、スタートアップ企業も数多いです。ユーザー体験を重視し、直感的で使いやすいインターフェースの提供に注力します。
SIer企業とWeb系企業のもう一つの違いは、働き方や企業文化です。SIer企業は顧客の要求に応じたカスタマイズが求められるため、プロジェクトごとに異なるチームが編成される案件が少なくありません。安定した働き方で、組織も階層的です。Web系企業はフラットな組織体系で、新しいアイデアを積極的に取り入れる環境が整っています。柔軟な働き方が可能で、リモートワークを導入している企業も多いです。
技術面にも違いがあり、SIerは業務システムや基幹システムといった特定の領域での専門性を持っており、信頼性や安全性が重視されます。これに対し、Web系企業は新しい技術スタックの導入が早く、アジャイル開発や継続的デリバリーといった手法で迅速な開発と改善を行うことが多いです。